9月23日、自身のブログで乳がんであることを明かした北斗晶さん。
24日の午前中始まった手術は昼過ぎには無事終わり、家族が寄り添っているそうです。
術後の痛みと心の痛みが強い、という北斗晶さんの今を考えると胸が痛みます。
乳房や乳頭を取るという選択は、女性にとってとてもつらい決断です。
辛く長い闘病生活の後に待っている未来が、明るいものとなりますように...。
今回は乳房の再建について書いていきたいと思います。
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全摘という診断
北斗晶さんが毎年乳がん検診も受けていたことは、ご存知だと思います。
逆に言うと、しこりが2cmの段階で見つかったのは早期発見、と話すお医者様もいらっしゃいます。
だからこそ、なぜ温存でなく、全摘しなければならないのか、と思ってしまいます。
経緯を辿っていきましょう。
セカンドオピニオンでも全摘
最初の診断を受けたのが7月7日。
その翌日には、大きな病院の胸の専門医...というと乳腺科だと思いますが、そこでセカンドオピニオンを受けています。
そして後日、詳しい検査をするために、精密に癌が分かる機械のある病院に行って、再度検査。
それと同時に、主治医の方も改めて再度検査しています。
これは本当に慎重に慎重を重ねた末の診断だったと言えるでしょう。
ではなぜ毎年の検診受けていたのに、乳がんが見つけられなかったのかというのは、がんが出来た場所が関係しているようです。
大きさよりも場所
今回見つかった癌は乳頭の真下近くだったそうで、乳頭が固いため、触診でも分かりにくいとされています。
2cmの大きさは初期段階というにはギリギリの段階なので、もしかしたら進行が速かったわけではなく、気づかなかったのかもしれません。
がんの手術はがんだけでなくその周囲も安全のために取る形が取られるため、 乳頭の場合はその範囲が取れないので、全摘になることが多いようです。
乳房再建の可能性
北斗晶さんもブログで語っていましたが、全摘の上に、抗がん剤の副作用で髪の毛を失い、そこで精神的に参ってしまう方も多いようです。
その治療が終わったとしても、女性としての自信を失い、性格がマイナスに変わってしまうこともあるようです。
そんな方々に希望となるのが乳房再建術です。
自家組織による再建術
体の一部を移植する方法です。
お腹、背中などの皮膚、脂肪、筋肉の一部などを移植するため、入院期間が長く、お腹や背中に傷跡が残ります。
また、手術・入院期間も長く、社会復帰までに時間がかかります。
しかし自然な形や、温かさ、柔らかさが得られるので、体に人口乳房を入れることに抵抗がある人に適しています。
インプラントによる再建術
ティッシュ・エキスパンダーという、皮膚を拡張する器具を使って、皮膚とその周辺組織を伸ばし、インプラント(シリコン製の人工乳房や生理食塩水を入れた人口乳房)を入れます。
手術も2時間ほどで終わり、日帰り手術が可能なほどで、社会復帰も早いです。
ただ、異物を入れるわけですから、違和感はあり、10~20年での交換が必要になってきます。
乳房再建への期待スーパー細胞
STAP細胞は残念ながら、ほぼ存在しないことが最近分かりましたが。
私たちの脂肪の中にあるスーパー細胞(ASC)で乳がん患者の乳房再建に活用しようとする試みがなされています。
2013年に報道された時点で、5人の乳がん患者が鳥取大学医学部付属病院で、臨床研究に参加しています。
臨床研究の手順としては
1 お腹の皮下脂肪から脂肪を吸引
2 そこからスーパー細胞ASCを取り出す
3 ASCを増殖させる
4 それを女性の胸に注入する
5 5年間通院・経過観察
というもので、手術自体はそんなに難しいものではありません。
手術後、5人の乳房の形はほぼ元に戻り、1年経った時点で変わりがないようです(2013年時点)。
最初の条件で5年間は病院に通院し、経過観察がなされることになっているので、2017年ごろには貴重な臨床結果が出されるはずです。
5年以内にスーパー細胞ASCを使ったこの手術を、保険適用できるように目指しているそうなので、その日が近いことを望むばかりです。
編集後記
北斗晶さんのこのニュースは本当に衝撃を受け、ブログを読ませていただきました。
自分の身体が大変な状態なのに番組出演者、スタッフの皆さんのことを思いやる言葉に、涙が出てきました。
乳房再建の話はブログでは語られていませんが、必ず戻ってくる!と信じて、明るい未来を見据えてこの記事を書きました。
北斗さんなら最善の治療を出来るように、佐々木健介さんと共に手を尽くしているはずです。
また、佐々木健介さんやお子さんたちと、一緒に豪快に笑う姿が見られる日を待ちたいと思います。