子どもにイライラしてしまった後、自分を責めてしまうこと、ありませんか?
自分が母になることで起こる、不安、苛立ち、孤独感...悩みは尽きません。
2016年1月31日(日)に放送されたNHKスペシャル、「ママたちが非常事態!?」はとても興味深い内容でした。
育児の不安や悩みの原因を、最新科学で解き明かされた、その内容をご紹介いたします。
Contents
育児での感情の不思議
出産をすることによって、毎日不安や孤独を感じている人が7割もいるそう、それにあるホルモンが関係していることがわかってきました。
エストロゲンの減少
エストロゲンは妊娠に欠かせないホルモンで、妊活中に、このホルモンを増やすために、卵や大豆などを多く取った方もいるのでは。
このホルモンが出産とともに一気に減少することで、不安や孤独を感じてしまう、といいます。
それには、昔からの人間の育児の方法が関係しています。
共同養育をさせるためのホルモン減少
人間は進化の過程で、みんなで子どもの世話をするという、共同養育という本能を持つようになりました。
不安や孤独を感じさせることで、共同養育へ促す働きがある、と考えられています。
仲間と一緒に子育てしたい、という気持ちにさせる、という働きなんだそうです。
その本能が刷り込まれているのに、日本は核家族が多く、夫も子育て時間が少なく、ベビーシッターなどの利用も少ない...。
その状況がママたちを孤独や不安な気持ちを起こさせている原因、ということになります。
つながりを求めて、ママ友のネットワークを広げているのが、今のママの心のよりどころとなっているのでしょうね。
子どもの成長の不思議
夜泣きの意外な秘密
なぜ、夜に寝てくれないのか、途方に暮れた経験をお持ちのママは多いことでしょう。
その原因は、赤ちゃんがおなかにいるとき、目覚めている胎児の生活サイクルから来ていました。
起きている時の胎児は、母親の血液から酸素をたくさん奪ってしまいます。
そこで、母体に負担をかけないよう、母親が寝ている夜間に目を覚まします。
その生活サイクルの名残が夜泣き、ということなんだそうです。
や、優しすぎる...!
夜泣きの原因が、胎児が母親を守ろうとする名残だ、と分かれば、少しだけ、気持ちが優しくなれそうです。
イヤイヤ期は成長の証
2歳のイヤイヤ期は大変、これはママの中で定説になっていますよね。
赤ちゃんの頃は、何で泣いているのかわからなくて困りましたが、今度はなんでもイヤ、と言い出すので、ママは疲れてしまいます。
しかし、こちらの行動も、ちゃんと原因と理由がありました。
この頃の子どもの脳は、前頭前野という、欲求を抑える機能が発達していないので、欲求を抑えられない状態なのだそうです。
やみくもにイヤだ、と言っているのではなく、イヤだという気持ちを抑えるところまで、成長できていない、ということですね。
人間の脳の成長は、成熟して産まれてくる普通の動物と違い、未熟な状態から10年ほどかけて、ゆっくりだけど確実に育っていきます。
その過程が順調に進んでいる途中のイヤイヤ期なのだ、と考えると、少し気持ちが楽になりそうですね。
夫にイライラする理由
子どもが生まれてから、夫に対するイライラが募るようになるのは、すごく分かります(汗)。
頑張ってくれようとしても、なんだか足を引っ張られているような...悪気がないだけにイライラしてしまいます。
その気持ち、オキシトシンという、ホルモンが引き起こしていることが分かりました。
本来、オキトシトシンは、出産時に子宮を収縮させたり、授乳をする時に乳腺を収縮させたりするホルモンです。
愛情ホルモンとも言われ、リラックスした状態だと愛情深く、幸せだを感じるのですが、ストレスを感じると、攻撃性を高めてしまうホルモンになってしまいます。
つまり、たとえ夫だとしても、自分の子どもを守るための、攻撃対象となってしまっているということです。
確かに、育児に不慣れな夫を見ていると、攻撃...とまではいかないまでも、きつい口調になり、イライラしてしまいがちです。
ママは、赤ちゃんのことで手いっぱいで、かなりのストレスを感じています。
そこにオキシトシンがたくさん出ている状態の時に不快なことがあると、敵として、みなしてしまうようですね。
これを防ぐには、ママの気持ちを汲み取るように、パパが育児の悩みを聞いてあげることが一番効果的なのだそうです。
具体的なアドバイスがなくても、自分の気持ちに寄り添って聞く、という気持ちがママを優しい気持ちにさせてくれるということ。
世の中のパパに、この事実が一刻も早く広まってくれることを、願うばかりです。
編集後記
みんなで育てるのが本能なのに、現実は孤独や不安に苛まれながら、母親だけが苦悩している日本の姿は見ていて心が痛くなりました。
しかし科学という客観的な裏付けが出来たことで、育児に対する考え方が少し楽になりそうなお話ばかりでした。
特に、胎児が昼間、母体に負担を掛けないように夜中に目を覚ます、という話には感動しました!
狭い空間の中で頑張った、子どもたちの優しさの名残だと思っても、大変な夜泣きではありますが。
このことがもっともっと一般的になって、育児中のママの、心の負担が少しでも軽くなってくれるとうれしいです。