学校における〝いじめ〟はこれまでもずっと問題になっていました。
しかし最近では生徒同士によるいじめではなく、先生が生徒をいじめるような事態が起こっています。
東日本大震災で被災した子供が避難先の学校の先生からいじめを受けていた事がクローズアップされ、ワイドショーなどでも大きく取り上げられました。
では、先生からいじめを受けたり嫌がらせをされた時にどこに相談すればよいのでしょう?
その窓口となる所やいじめの種類、親はどうすれば良いのかなどをご紹介します。
Contents
いじめの種類
暴力を伴ういじめ
いじめの暴力とは、主に殴る蹴る叩くといった身体的苦痛を与えることを指します。
大人しいタイプの子は特に標的にされやすく、暴力を伴ういじめはエスカレートしやすい傾向にあります。
お互いにやりあえば「ケンカ」ですが、強い者が弱い者を一方的に攻撃するのはいじめになります。
性的ないじめ
服を脱がせたり身体を触るなどが挙げられますが、身体的悪口を言うなども性的ないじめに当てはまります。
性的いじめに関しては、訴えることが出来ずに泣き寝入りすることも多く、実際の報告件数よりも多いものと思われています。
嫌な事を強要させるいじめ
お金を持ってこさせたり万引きをさせり、時には暴力をふるわせたりします。
自分の利益や欲求のために自分より弱い者に命令し、強制的に従わせるいじめです。
この場合、いじめることよりも利益のために強要している場合の方が多いです。
言葉によるいじめ
身体的な特徴やコンプレックスに関わることをわざと言ったり、悪意が感じられるあだ名をつけたり、対象者に対して「悪口」を言ういじめです。
対象者を傷つけることが目的で、言葉の信憑性は考慮していません。
このいじめは長く続くほど「気にしないように」することは難しくなっていき、精神的な苦痛をもたらします。
無視をするいじめ
最近では「シカト」とも言われます。対象者の存在を消されるいじめです。
何を話しても無視して会話をしなかったり、対象者がまるで存在しないかのように振舞う陰湿ないじめです。
特に学校では仲の良いグループが形成される傾向があり、その中から無視の対象が選ばれてしまう事が多いのです。
物を介するいじめ
物を取り上げたり靴を隠したりと言った対象者の持ち物に危害を加えるいじめです。
代表的なものでは、教科書やノートへの落書きや制服やジャージを傷つけられると言ったものは分かりやすいかと思います。
このいじめをするようになると、かなりエスカレートした状況だと言えます。
ネットを使ったいじめ
掲示板やSNSを使ってある事ない事書かれたり、不特定多数の人の目に晒され、ネット上に拡散された情報は一生消えないのです。
このいじめは誰が書いたのか特定できなかったり、加害者が分かりにくい点からも卑劣ないじめになります。
笑いものにするいじめ
集団の中で恥をかかせたり対象者の失敗を大声で言いふらしたり、対象者を笑いものにすることをも目的としたいじめです。
言ってる側に悪気がなくても、言われた側が傷ついていたり、嫌な思いをしていたならその行動は不適切だったと言う事になります。
悪質と取られればそれは完全にいじめになってしまします。
先生が子供をいじめる?
今までに教師が生徒をいじめてきた事実が公になることはごく稀でした。
しかし現代では報道機関やいじめ対策などで環境が整備され、学校という閉鎖された環境から真実が見える環境へと変化してきています。
教師によるいじめの隠蔽
ですが、未だに都合の悪いことや学校の評判を下げるような事実は隠蔽される風習が残っている所もあるのです。
これは学校や教師の評価基準に問題があるとされていて、いじめなどのトラブルがあるクラスの担任の評価が悪かったり、校内でトラブルがあると学校自体の評価に影響が出るという基準は適していないように思います。
これからはいじめやトラブルで評価するのではなく、これらを解決したかどうかで判断するべきだと思います。
しかし、今の現状では教師や学校による隠蔽の風習はなかなか無くならないでしょう。
教師も加わり集団いじめ
現代では、生徒を守り指導する立場の先生がいじめはしないだろうと安易に考えてはいけません。
極少数ではありますが生徒をいじめる教師は存在するのです。
学校でいじめが起こり教師がこれに加担する場合と、教師主導で特定の生徒をいじめる場合の2パターンが存在します。
教師が加担する場合、いじめていた方にしてみれば、先生公認のいじめとして認識し大きな後ろ盾をもらい、更に行動をエスカレートさせるでしょう。
教師主導の場合では、流れに乗らなければ次は自分が標的になるかも知れないという恐怖心から先生に加担し、特定の生徒をいじめなくてはならない状況を作りかねません。
どちらのパターンになっても、いじめられている生徒は逃げ場もなく常に集団でいじめられる地獄の日々に違いありません。
教師が生徒をいじめる理由
●そもそもいじめとは思っていない。
●冗談のつもりだった。
これらの理由は、教師によるいじめが学校や保護者、世間に知られた時に教師が言い逃れするために説明する理由で「建前」であることは明白です。
ある中学校で『お葬式ごっこ』が担任も交え行われ、後に学校が釈明したニュースがあったが、この時もいじめた理由を担任が「冗談のつもりだった」と言っています。
ではなぜ教師は生徒を守らなくてはいけない立場にありながら、いじめに加担したり主導したりするのでしょうか?いくつか理由が挙げられます。
●生意気な態度を取ったから気にいらなかった。
●イライラしていたからストレス解消にいじめた。
●面白いと思ったから。
というのがいじめを率先して行う教師の本音かと思います。
もちろん、これは一部の教師にしか当てはまりませんが、このような人が「先生」と呼ばれる立場にいることは紛れもない事実なのです。
親が子供の味方になる
文房具や持ち物を定期的に交換する
親であれば子供に対して鉛筆や消しゴムノートやカバンなどの持ち物について、「買い換える」時期や不足品がないかを見たり聞いたりと、干渉することは出来ますよね?
これをすることで無い物は補充してあげればいいですし、壊れた物や傷ついた物はどうしてそうなったかを聞くことが出来ます。
子供が壊れた理由を言わなくても構いません。
大切なのは聞いたときに「なんか様子がおかしいな?」と感じることです。
もしもいじめられていたら子供は親に言うのも勇気がいるものです。
様子が変だと思ったら「悩みがあったら言ってね?」と伝えてあげましょう。一番大切なことは『親が子供の異変に気が付くこと』です。
どんな時も変わらずに接してあげる
子供が悩みや相談を打ち明けてくれた時に、取り乱してはいけません。
いつも通り淡々と聞いてあげてください。
どんなに驚くような話でも、第3者として聞くと意外と冷静に判断できるものです。
例えば、中学生の子が制服を泥まみれにして帰ってきたとします。
この状況だけでは何があったか判断できないのに、「どこで遊んできたのー!」や「誰かにいじめられたの?!」などと特定して言ってしまうと、本当のことが言いづらくなってしまします。
本当は路肩を歩いていて車に泥をかけられただけなのかも知れないですよね?どんな時もまずは子供に状況を説明してもらうよう心掛けましょう。
子供の話を聞き味方になる
いじめられている子供に親がしてあげられる一番大切な事は、子供の話を聞き味方になってあげることです。
そして、子供の気持ちを確認して優先させてあげることが大切です。
親としては学校でいじめられているなんて!と徹底的に対決したい人もいるかもしれません。
まして教師にいじめられていたなんて事になったら、絶対に許せませんよね。
でも、子ども自身が「学校に行きたくない」とか「転校したい」とか「大騒ぎにしたくない」と言ったら、その気持ちを優先してあげて下さい。
逆に「戦って欲しい」、「やられたままでは悔しい」と言われたら担任でも学校でも相手にして、「絶対にあなたを守る!」という姿勢を見せて下さい。
子供に親は絶対味方なんだと分かってもらうためです。
いじめの相談窓口
それでもいきなり『いじめられてる』なんて聞いたら、内心驚いたり悲しんだりすることは事実です。
まして教師が加害者の場合、学校に相談するのも気が進みませんよね?
それでもまずは学校の教頭宛てに連絡を入れましょう。
相手が教師である以上、担任や学年主任では解決できません。
ここで解決できれば問題ないのですが、もしも取り合ってもらえなかったり隠蔽されるようなら、他に相談できる窓口はいくつかあります。
<教育委員会>国公立の学校
参考: http://www.mext.go.jp/b_menu/link/kyoiku.htm
<都道府県私学課>私立の学校
参考:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/009/001.htm
<24時間いじめ相談ダイヤル>
参考: https://www.inochinodenwa.org
<人権相談>法務省
参考: http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html
<日本司法支援センター>法テラス相談
参考: http://www.houterasu.or.jp/index.html
<国民生活センター>消費者庁
参考: http://www.kokusen.go.jp/map/
<法律事務所>弁護士ドットコム
参考: http://www.bengo4.com/
まずは『教育委員会』や『都道府県私学科』などに相談をしてみて指示を仰ぎましょう。
法律事務所や法テラスでは事件に出来るか判断してもらえるので、ここに相談して被害届を提出し警察が動けば学校は「知らない」では済まされなくなり、事件は明るみに出ることになります。
しかしここまで問題を大きくすると、子供がいじめられていた事実が全国に知られることになる。
この点に関しては子供と良く話し合いが必要になります。
編集後記
子供のために一生懸命指導してくれる先生がいる一方で、教師という学校の中で強い立場の人間が、生徒をいじめることもあるなんてとても残念です。
このような人から子供を守るためには、学校に全てを任せていてはいけません。
子供に変化があった時には、すぐに気付いてあげられる親であって欲しいと願います。
また、今現在悩んでいたりいじめにあっている人がいたら、どこでもいいし誰でもいいから相談して欲しいです。
電話やメールなら匿名で話を聞いてくれる所もあるので、諦めずに是非利用して欲しいと思います。