つわりや胃痛、不眠、貧血など、妊娠中は様々な体調の変化や病気に悩まされますよね。
妊娠中の病気などは胎児にも影響を及ぼすものがあるため、しっかりと予防していくことが大切です。
妊娠高血圧症候群とはどのような病気なのか、どんな方がなりやすいのか、予防法などをお伝えしていきます。
妊娠高血圧症候群とは
妊娠中毒症と呼ばれていた病気の中で、特にお母さんや赤ちゃんに影響を及ぼす可能性の高い高血圧を伴う病状を「妊娠高血圧症候群」といい、妊娠20週~分娩後12週までの間で高血圧、または高血圧とたんぱく尿の両方が見られる場合に診断されます。
妊娠高血圧症候群になってしまうと、子癇、常位胎盤早期剥離、肺水腫、HELLP症候群、脳出血など様々な病気を合併してしまうことがあります。
子癇(しかん)
妊娠20週以降に初めて起きたけいれん発作で、てんかん、脳炎、脳腫瘍などによらないものをいいます。
重篤になると、脳出血や緊急帝王切開の可能性がでてくるだけではなく、母子の命が危険にさらされる場合もあります。
常位胎盤早期剥離
赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう、お母さんの死亡率は5~10%、赤ちゃんは30~50%と高い病気です。
また、血流が悪くなることで赤ちゃんは酸素や栄養不足になってしまい、十分に育たなくなる胎児発育不全、標準よりも体重が少ない低出生体重児、脳や心拍の異常がでるなどのおそれがあり、最も悪い場合には子宮内で赤ちゃんが亡くなってしまうこともあります。
主な自覚症状となりやすい人とは
重症になっていてもあまり症状が出てこないのが特徴で、妊婦健診で診断されるまで気づかない方も多いようです。
頭痛、倦怠感、眠気、急なむくみ、子宮が硬くなったように感じるなどの症状はありますが、いずれも妊娠したことによる体調の変化と思われるような症状が多いので、妊婦検査にしっかりと行くことが早期発見に繋がります。
はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、妊娠高血圧症候群になりやすい方の特徴は一部判明していますので、該当している方は上記の様な症状が出ていないか注意してみていきましょう。
また、該当しない方も妊娠によって体調が急変することも考えられますので、妊娠したら塩分を控えめにするなど予防をしていくことが大切です。
予防とちょっとした工夫
原因が判明していないことから、誰にでも効果の出る確実な予防対策もわかっていませんが、肥満や高血圧によって発症しやすくなりますので、適度なカロリー制限や一日当たり10g以下(約小さじ2)の塩分制限、適度な運動、休息、ストレスを溜めないようにすることなどが推奨されています。
しかし、過度なカロリー制限や塩分制限はかえって発症率を高めることもありますので、担当医師と相談し、あなたに合った方法で予防していきましょう。
塩分を控えた食事は味気なく感じるかもしれませんが、下記のように調理法や食材などを少し工夫するだけで十分に美味しく満足できる味付けにすることができます。
編集後記
妊娠高血圧症候群は重症になった場合、母子の命に関わることのある怖い病気の一つです。
発症してから後悔することがないように、自分のためだけではなく赤ちゃんのためにも日々の自己管理を大切にしていきましょう。